NARUNARU

NARUクルーインタビュー|第一期生うえっちさん

2025/02/05

NARU

昨年の7月から一期生の活動が始まったNARUの新しいメンバーシップ「NARUクルー」

NARUクルーとは、「自分でイベントや活動を企画したい!」から「何か新しい活動に主体的に関わりたい!」まで、NARUを「利用する」以外の関わり方で活動してくださるメンバーの方々用のメンバーシップ。(詳細はこちら
そんなNARUクルーでは毎月「日本橋NARUカイギ」という場でアイディアを出し合い、様々なイベントの企画を行なっています。
11月から始まったNARUクルー発のイベントは、今では月3〜4個開催されています。

本日はそんなNARUクルーの一人、うえっちさんのインタビューをお届けしたいと思います。
「なぜNARUクルーに参加したの?」「イベント開催してみてどうだった?」などの率直な感想をお答えいただきました。
是非ご覧ください!

※NARUクルー第一期の申し込みは終了いたしました。第二期(2025.7〜の活動)の募集は6月ごろを予定しています。気になる方は是非NARUの情報をチェックいただけたらと思います!

実践することで街の知識を深めていく

ーまずはNARUを知ったきっかけからお話を伺っても良いですか?

僕の知人が、NARUで取り組まれていたクラフトビール作りのプログラムに参加していて。それで、完成したクラフトビールのお披露目会に呼んでもらったんです。その時に初めてNARUを訪れました。イベントは凄く盛り上がっていて、最初は人の多さに圧倒されました(笑)けど、クラフトビールの醸造所が地元であることを知って、親近感が生まれたことと、職場からも近いこともあったので、「面白そうな施設だし、ちょっと通ってみようかな?」とイベントをチェックするようになりました。

ーそこから、どうやってNARUと関わっていくようになっていくのでしょうか。

職場が日本橋のすぐ近くの場所にあるんですが、「職場と家との間を結ぶ何か別の拠点が欲しい」と思っていたんです。ただ仕事に行って家に帰宅するだけで1日を終えるのではなく、どこか学びの要素もありながら人と交流ができるような場所をずっと探していて。そんな時にNARUを知り、自分の好きなお酒のイベントがいくつか開催されていることを知りました。その中で、ちょうど日本酒のイベントでボランティアを募集していたんです。せっかくやるのであれば、参加者としてではなく、運営側の方が面白いのではないかとボランティアとして飛び込んでみました。

NARUで定期開催される「シェア酒でシアワセ!」はボランティアを募集し運営しています

ー参加者側ではなくて、いきなりボランティアから参加されるのも面白いですね!

確かに珍しいかもしれませんね。普段から研修とかワークショップを社内で企画したり実施したりもしているので、運営側にいることの方が多いんです。参加者側にいたとしてもついつい運営側のことを考えてしまう癖があって…運営側にいる方が落ち着くというところがありますね(笑)

ー普段から運営側になる役回りが多いうえっちさんが、なぜNARUでもイベントの企画をしてみようと思われたのか教えてください。

一つはNARUのコミュマネたちの存在ですね。ばんちゃんや中岡さんたちとは日本酒のイベントなどを通じて触れ合う機会が何度かありましたし、皆さんフレンドリーで打ち解けやすくて。そういえば、最初にボランティアとして参加した時にも、NARUのコミュマネの中岡さんがボランティアを対象にオリエンテーションをやってくれて。「あ、オリエンなんてあるんだ!」と、しっかりとした体制にも驚きましたね。そういった安心感があるコミュニティーだったことは一つ参加する上で大きかったと思います。

あとNARUが日本橋の街を盛り上げることを意識している施設だったことも、NARUクルーに参加しようと思った理由の一つです。僕は東京生まれで東京育ちなんですけど、それにも関わらず日本橋含めて東京のことをまだまだ 知らないなと思ったことがあって。「もっと東京のことを知ることができないかな?」と考えていた時にNARUと出会って。ここであれば自分のやりたいことを企画として実践しながら、日本橋のことも知る機会になるんじゃないかなと思い、NARUクルーに参加することを決めました。

思い出の体験を日本橋の街で

ー今回、角打ちのイベントだったと聞いていますが、どのように企画が生まれたのか教えてもらえますか?

NARUクルーが集まる企画会議の中でプロフィールシートをそれぞれが書く機会があったんです。その時に「自分の興味があることを3つ書いてください」と言われて。僕の場合、銭湯とお酒と現代アートの3つを書いたんですが、そこからどのように企画へと落とし込むのかは正直、頭を抱えてしまって(笑)というのも、NARUクルーの企画では、どのイベントでも「日本橋の街との繋がりを考える」ということがテーマにあるので、自分の興味関心と日本橋をどう掛け合わせるのか、その点に悩んでしまったんです。そんな時、ふと2年前に訪れた広島県での旅行を思い出しました。

広島県での旅行で1人で角打ちのお店に入ったんですけど、そこの店主とのやり取りやお客さんとの会話がとても楽しくて。今でも記憶に残っているんですよね。その時の経験もあって広島は「もう一度訪れたいなあ」と思う街にもなっていたんです。その体験を思い出した時に「もしかしたら日本橋でも同じような体験が出来たら面白いかもしれない!」と思い、日本橋にある角打ちのお店を調べてみたのが企画の始まりでした。

※うえっちさん企画「はじめての角打ちさんぽ」のイベントレポートはこちら

うえっちさんが企画した角打ちイベントはチケットが完売となりました。

ー広島での体験を元に今度はご自身でそういった場を作るという発想が素敵です!今回、下調べの段階でたくさん角打ちのお店に行かれたと聞いています。

そうなんです。日本橋に角打ちのお店があるのか探してみたら、角打ちのお店が結構あって。それで「よし角打ちのイベントで企画してみよう!」となって、準備を進めることになりました。個人的にはイベントを開催するまでのプロセスを通じて“日本橋を知る”という裏目的があったので「もっと日本橋を知るためにどうしたら良いんだろうか?」とまず初めに考えたんですよね。それで、事前に角打ちマップを作ることにしたんです。これなら、お店のことも知れるし、歩くことで街のことも知れるなと。

ーとても良い取り組みですね!イベント開催前から楽しい雰囲気が伺えます。

実際、すごく楽しかったです(笑)あと、個人的には街だけに限らずNARUクルーの他メンバーたちのことをあまり知らないのは課題だなと思っていて。せっかくNARUクルーとして出会ったので、お互いのことをもっと知りたいなと。そこで、お店をリサーチする時には1人でいくのではなくNARUクルーのメンバーにも声をかけるようにしたんです。実際、4回くらい実施をしたのですが、NARUクルーのメンバーも何人か参加してくれて。かなり人となりを知ることが出来たので、取り組んでみて良かったなと思いましたね。

予想外のことが起きることの面白さ

ー企画を進めていく中で不安や葛藤されたことなどは何かありましたか?

イベント当日の構成を考えるのに少し悩みました。というのも、「角打ちの楽しみ方を学んでほしい。」「日本橋のことも知ってほしい。」という学びの要素を参加者の方には持ち帰ってもらいたかったので、単にお酒だけを飲んで楽しむ、というだけにはしたくなかったんです。とはいえ、知識を詰め込むような企画にもしたくなくて、学びと交流のバランスを考えるのが難しかったです。

最終的にはまずはNARUで角打ちについての説明やアイスブレイクをしてからお店に向かう流れにしたのですが、それによる課題もあって。角打ちのお店って事前に予約できるものではないんです。なので、「もし行ってみてもお店に入れなかったらどうしよう・・・。」という不安はありました。最終的には運営メンバーに先にお店に行ってもらうなどして対応することができました。

ー実際にイベント当日を迎えてみていかがでしたか?

嬉しいことにチケットも無事完売になったんですけど、当日飛び入り参加の方もいたりして、参加者と運営メンバー全員がちゃんとお店に入れるかどうかは当日も本当にドキドキでした(笑)結果的に無事入れたので、その時点で僕的には安堵の気持ちでしたし、予想以上に皆さんに楽しんでもらえていたのでとても嬉しかったです。

あと、実は、イベントに参加してくださった方の中に1時間ほど遅れて参加された方がいたんです。なので、その方は前半の説明パートは聞くことが出来なかったんですが、他の参加者の方がその方に角打ちについての説明などをしてくださっていて。参加された方にとって何か学びに繋がっていたことも嬉しいですし、参加者同士が自然と繋がれているのも見ていて嬉しかったですね。

NARUで角打ちについて知ったあとは参加者みんなで日本橋のまちを歩いてお店に向かいます。

ーお話を伺っていると、学ぶということに関しても「誰かと一緒に」という考えを持っていらっしゃるのかな?と感じました。

僕自身、基本的には一人で何かをするのが嫌いではないタイプなんですよ。ただ、あえて誰かと一緒に何かをするのは、自分の価値観が変わる可能性があるからだと思っていて。人と関わることで「自分が予想していなかったことが起きるかもしれない。」という期待があるからなんだと思います。

ーもう少し具体的に聞いてみてもいいですか?なぜ、価値観が変わることに面白さを感じるのでしょう。

その面白さに気づく体験があったのが大きいですね。小さい頃には魚とか野菜が食べられなかったんですが、大人になってお酒を飲めるようになったら「あ、野菜もお酒と一緒に食べると美味しいんだなぁ。」と感じたことがあったんです。

これが「何かを変えてみたり、知ったりすることによって、これまで苦手だったことや嫌いだったものの魅力を認識することもあるんだな」と感じる経験になったんです。

だからこそ、自分以外の人にも価値観が広がるような学びや気付きを得る体験をしてもらいたいと思っているんだと思います。

ー参加者の方からのアンケートで「SNS情報とは違い、今回のイベントは人と触れ合いながら実体験できたことが何より楽しかったです」というコメントがあったのが印象的でした。うえっちさんが広島でされた体験と似たような感覚を感じてくださったのかもしれませんね。これも価値観の変化の一つかもしれません。

なるほど。今、アンケートのお話を聞いて「お店」にストーリーが生まれたことが、参加された方にとっても価値に繋がっているのかなと思いました。どこかのお店にいくにしても、ただネットで調べて行くのではなく「こんなイベントで知って、こんな人たちと出会ったんだよ!」といったストーリーがあるほうが、自分も自然と話したくなるし、相手にとっても興味を持ちやすいですよね。

モチベーションの高いメンバーが揃う、学びのある場

ー冒頭で「家と職場の間に拠点が欲しい」とお話をされていましたが、その背景にはどういった理由があるんでしょうか?

職場というコミュニティに所属していると、固定観念に縛られてしまう気がしていて。他の場所での出会いや学びを通じて新しい刺激が得られたらなと思っていました。あまり流行りの言葉を使うのは好きではないのですが、最近だと“越境学習”という言葉もありますし、自分だけではなく社内のメンバーにも職場の外に飛び出て、新しい学びを得たり、何かに挑戦することを大切にしてもらいたいなと思っていて。職業柄、社内のメンバーたちにも普段から「学ぶことを大切にしましょう!」と言ってるので、自分も実践したいなと思っていますし、新しいことを学ぶことの気持ちを自分自身も忘れないためにも毎年何かしら違った分野に挑戦するようにしているんです。

ーこれまでもNARUではない場所でイベントを企画されたりしていたと伺いましたが、その辺りの違いとかって何かありましたか?

NARUという場所自体も新しいですし、職場や自分の住んでいる場所とは違って慣れ親しんでいる場所という訳ではないので、改めて初心に戻って企画を進めることが出来たと思います。実際、イベント当日にいった角打ちのお店にも事前に二回は行きましたし、当日も行く前に挨拶しにいったりと、これまで開催したイベントや普段の仕事と比べても、かなり丁寧に向き合ったなとは思います(笑)

ーNARUと他のコミュニティーでの違いがあれば教えてください。

人が集まって交流することの他に「学びがある」ことはNARUの良いところだと思います。また、NARUクルーの皆さんが、それぞれ個性というかスキルのようなものを持たれているのも魅力的だと思います。その上、やる気というか熱量もあるんですよね。NARUクルーになるための説明会に参加した時も「モチベーションを持って参加されている方が多いんだなぁ」という点が印象的だったことを覚えています。

今回のイベントでもNARUクルーに向けて、「角打ちマップを一緒に作りたい人いますか?」と声をかけたら「私デザインするよ〜!」と手伝ってくれる人がいたり、最近動画を学び始めたメンバーの方からは「動画撮影してみても良いですか?」と声があがったりして。中には、日本橋の立ち飲み屋さんに詳しい立ち飲み博士のような方もいたので心強かったですね(笑)

今回クルーで制作した角打ちMAP

知れば知るほど「好き」が増えていく街。

ーうえっちさんと日本橋の関わりについても教えてください。

これまでは職場は近いといっても、正直あまり日本橋のお店には来ていませんでした。値段が少し高かい印象があって、飲みにいくなら八重洲とか神田のお店を選ぶことの方が多くて。今回、企画をしたことで日本橋にも気軽に楽しめる立ち飲み屋さんが多いことを知りました。

ー今回、イベントをしてみて日本橋のイメージは変わりましたか?

以前から日本橋といえば、古い歴史が沢山あるんだろうなとは思っていました。ただ、改めて日本橋のことを学んでみると、江戸時代の中心街だったことなど、街についてより深く知ることができました。イベントを開催するにあたって、日本橋についてのYouTube動画などもみていたので、おかげで最近ではお勧めされる動画も日本橋に関連した内容ばかりです(笑)

あと、実際に街を歩いてみて、思っていたよりも空きビルがあることが印象的でしたね。三越前や日本橋駅の周辺は商業施設もあって常に灯りがあるイメージでしたけど、小伝馬町のあたりなどは、道によっては七時八時の段階でも暗かったりするので驚きました。

ーそういった街の様子は歩いたからこそ分かることですね。日本橋の街に対しての気持ちの変化が他にもあれば教えてください。

より街のことが好きになった実感がありますね。この短い期間の中でも日本橋の街をよく知ることが出来たなと思いますし、やはり歴史を学んでみても日本橋は奥深くて。例えば、製薬会社の本店があるのは、もともと薬屋が日本橋に沢山あったからだとか、日本橋が郵便の発祥の地だったとか。そういったことも今回調べてみて初めて知りましたし、まだまだ学んでみたいと思える街です。

ー今後、日本橋を起点に何かやってみたいことなどはありますか?

正直、今はイベントが終わった直後で放心状態ではあるのですが(笑)ただ、今回参加してくれた方に完成したマップをお渡ししたので、そのマップを見ながら日本橋を巡ってくれたら嬉しいなとは思いますね。僕、個人としては、まだまだ日本橋で働いている人や住んでる人、あるいはお店をやられている人とは深く関われていないので、そういった人たちとの関わり合いを増やしていけたらなと思っています。

ーどんどん日本橋を知るのが楽しくなりそうですね。

そう思います。よく、噛めば噛むほどって言ったりしますけど、本当に知れば知るほど面白い街だなと感じています。

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